お顔そりの基本
その1. レーザー(カミソリ)の持ち方
理美容の仕事で大きく違う点、それが顔そり,シェービングです。
理容では当たり前なのとカミソリ使いで理容経験がわかるくらい奥深いのがシェービングです。
でも、美容師さんは全く関心を示しませんよね。むしろまったく興味がないような気がします。
そんな顔そり技術ですが、このシェービング技術をマスターすれば、お客さんの幅が広がります。
ワンスタイル覚えるのと同じくらい使える技術だと思います。
なぜなら、女性ですとえりのうぶ毛をさっと剃ったり、もみあげの中途半端な縮毛を剃ったり、もちろん男性のひげを剃ることだってできます。
顔まわりの余分な毛という毛を剃れちゃいます。
剃ると毛が濃くなるというのはすでに都市伝説ですのでご安心を。
そしてちょっとしたサービスがその後のリピーターにつながるのはみなさんもよくご存知かと思います。
では、顔そりの道具や使い方の基本的なところを書いていきたいと思います。
一枚刃のレーザー(カミソリ)を使ったシェービング技術ですが、習得まで、早くて6カ月ほどで一通りできるようになります。
ただし、使えるようになるだけでここからはお客さんが気持ちよいと感じるシェービングはこれから。
ここからは人によってばらつきがあり、すべるようなレーザーさばきまで1年半~2年でマスターできるかと。
コツがつかめない場合10年たっても心地よいシェービングはできません。
今回基礎を細かく解説します。
使い方に迷ったらすぐに基礎を見直してください。きっと大事なヒントがあるはずです。
まずは
レーザーの持ち方から
フリーハンド・・
まず親指と人差し指でレーザーの中心より刃寄りに1cmほどずらして指先でつまむように持ちます。
ポイントはカミソリは刃の方が重くできてるので中心より刃寄りにもち左右のバランスが取れる位置をつまむ感じで。
次、小指の第一関節を添わせ、少し安定させる
中、薬指をレーザーを抱えるようにここもそっと添わせ落とさないよう安定させる。
コツは指関節は動かないように固定しながら力は最小限落とさない程度で。
指は無駄な力が入らないようにしながら全指をバネのようにしなやかに、自在に動くように練習あるのみ。
指が安定してブレなければ落とすことはありません。

バックハンド・・・
フリーハンドで持ったままレーザーを反転(くるっと向きを変える)させる。そして手首を返すと刃は体の右はしに。
体の中心からはずれてしまっているので右ひじを体の内側に入れて刃を体の中心に近づける。
体も30°ほど右側に傾けるとより剃りやすい。
主にほっぺ、えりあしなど。

プッシュハンド・・・
フリーハンドの持ち方で持ちます。 指が丸まって手前に向いている刃がありますね。ここから全指を伸ばし刃を外に向けます。
手首も少し返します。あまり無理な体制にならないように注意してください。
動きは手前から奥へ。肌の丸みに沿ってすべらせるように。
主にほっぺ、あご先など。

ペンシルハンド・・・
ペンを持つようにレーザー中心部(左右バランスの取れる点)を人差し指・中指で挟む。
親指を柄の端にバランスよく添える。3指でバランスよく支える。


シェービング用語
斜行・・・肌に対して真っ直ぐ剃るのではなく斜めに削ぐように運行する。刃のあたりも運行に合わせて手首を巻きこむように動かす。
手首の巻き込みと腕の支点運動が連動するとうまく剃れる。
順ぞり・・髭の生えてる向きに逆らわず、向きを同じにしてレーザーで剃りあげる。
逆剃り・・髭の生えてる向きに逆らって斜行をしながら斜め45度あたりで剃ります。よく濡らし、蒸らしてないと痛い。
天ザカ・・髭の生えてる向きに逆らってほぼ直角にレーザーを入れる。これはよく蒸しても痛いのであまり使わない。
不見傷(ふけんしょう)・・文字通り、目に見えない傷。血が出るほどではないが、剃り跡がヒリヒリするときは見えない傷の可能性が高い。
毎日剃ると肌の修復が間に合わず、常にひりつくようになる。本当は髭剃りは2~3日に一回が望ましい。
レーザーの持ち方はこのような感じです。
これは基本中の基本ですのでここから練習していくといいです。
ここまで、なんとなく理解できましたでしょうか。文章にするとやはりややこしいですね。
あと、肌を傷つけないために重要なことがあります。それは決して無理な姿勢で剃らない事です。
態勢がきつくなると、力んでしまいます。体が力むと腕~手~指先と無駄な力が入り、レーザーを柔らかく使うことが
できなくなってしまいます。そうするとちょっとした動きで肌を切ってしまいます。
力めば力むほど傷つける率は高くなります。手だけでなく、足の踏ん張りや体の位置も気持ちのいい顔そりには大切です。
そしてちゃんと持っていれば深く切ることはまずありません。
今のレーザーはガード付きでワイヤーが仕込まれているのでざっくり切ることはなくなりました。それでも切れば血は出ますので! 注意してください。
ちなみに・・・ほんの15年前まではガード無しかなかったので大変でした。
顔そり時の左手の使い方 に続く