クシとハサミの連動

次は「ハサミとクシの連動」です。

クシとハサミは切っても切れない関係ですよね。

理容と美容では使い方がだいぶ違うようで。。

理容の使い方の紹介です。そして基本中の基本になるものです。


まず、ハサミとクシを目線の高さで持ち、クシの手前にハサミをピタッと付けます。

そこでハサミの開閉をしてみましょう。

このとき、静刃をしっかり薬指・ひと指し指・中指・小指で固定し、動刃にかけてある親指だけで動かします。

これが基本です。なぜ、静刃と動刃があるのか?

それは、クシの上からはみ出さないため。もう一つ、クシの元に静刃を付けて開閉することで、正確に切れるようになるためです。開閉中、静刃はぶれないほうが正確に切れます。

実際にはクシを入れて出てきた毛をハサミで切る→クシを1~2ミリ上に動かし、出てきた毛を切る→また1~2ミリ上に動かし・・・

これをすごく早くやっているのが「連続刈り」です。

ちなみに・・バリカンはこの作業をきれいにやってのけます。

ただし、トップとの接合部(刈上げとトップの毛の重なるところ)などはやはりハサミとクシで調節しながら、すくい刈りをします。
接合部まできたらクシで毛をすくってクシから出た毛を切ります。
男性はほぼレイヤー調になるので三回ぐらいすくって切ってすれば刈る毛が出なくなります。(トップからの毛が重なってくるところまで。切りすぎるとただのモヒカンに・・・)

そこはお客さんのトップの長さの好みに合わせてカットすることになると思います。

ハサミを静刃、動刃の両方動かしてしまうとクシにハサミをピッタリつけることが難しく、引き出した毛を「連続」で切るとブレます。親指だけ動かします。

ブレる(クシとハサミが離れてしまう状態)とミリ単位ですがずれてきます。この刈上げにおいて2ミリ以上ずれるとキレイな刈上げにはならず、その手前の状態=「荒刈り」になります。

「荒刈り」とはその名の通り、全体をざっと切って全体の仕上がりを確認するためのカットです。

ブレたまま切っていてもそれはいつまでも荒刈りであり、「仕上げ刈り」にはなりません。仕上げ刈りにはクシ刃の細かい物を使い、ミリ単位で進みます。

キレイに刈れると自信もつくし気持ちいいです。
そして技術者ならきっとハマります!

それとは対照に今ではあまり切りそろえないスタイルが美容室を中心に広まり、60%~80%のスキバサミであえて揃えないカットが増えてきました。
これもかなりいい感じに仕上がってますよね~。
荒刈りで希望のスタイルを0.5~1センチ程度長めに作ってからセニングで詰めていくと失敗も少ないと思います。

使う技は同じで連続刈りの要領でやるとキレイに仕上がるし、楽です。
ということで親指で刈る連続刈り、ぜひチャレンジしてください。