連続刈り

連続刈りはクシとハサミを連動させながら刈り込んでいきます。
理容師さんにとっては基本です。が、やらないと腕が訛ります。

・クシとハサミの連動

ハサミとクシを目線の高さで持ち、クシの手前にハサミをぴったりつけます。
そして薬指の刃は動かさず固定し、親指側だけ動かします。
薬指が入っている刃を静刃、親指側の動く刃を動刃と呼びます。
静刃側には人差し指、中指、小指があるので4指で固定できます。

静刃がブレずに動刃のみを動かして連続3分間、動かし続けられれば基本は大丈夫かと思います。
普通の基本カットは所要時間15分程度ですが途中立ち位置を変えたりすることで小休憩を取りながらになるので連続といっても5分間も開閉しっぱなしということはありません。


・連続刈り

基本動作が出来上がったら今度は実際の動き方です。
連続刈りの始まりはネープや耳上の生え際から垂直、または垂直から30度ほど手前に倒しながら上に向かって刈り込みます。
一回の運行で綺麗に切れることはほぼ無いので、なぞるように何度か同じ動作を繰り返します。
この時、クシの歯先は地肌に近づけ、歯元で刈上げのガイドをなぞっていきます。
クシを刈上げ面と平行に当てて切っても表面の差し毛しか切れません。
地肌に寝ている毛を起こしながら切るにはクシの歯先を地肌につけながらゆっくり上方に引き出します。
歯元に出てくるガイドからはみ出ている毛を連続刈りで切っていきます。
ハサミの静刃はクシの歯元にぴったりついて開閉していないと、このはみ出した毛がハサミで切れません。

切り出しは耳の後ろ辺りからが失敗が少ないと思っています。
基本的にどこから切ってもいいのですが、もし失敗しても何とかごまかせる場所となるとこの辺になるかなと。
耳後ろから入り、クシに揃えた髪の毛を入れて上に進みます。
クシは刈り上げる角度(高めなら垂直に、低めなら上方手前にななめに)ゆっくりと運行します。
もちろんハサミはずっと開閉しています。
クシはハチのはっている部分までは地肌に沿わせます。
ハチから上はクシを浮かせて欲しいところまで刈上げのままいきます。


刈上げストップ時、そこからすくい刈りに入ります。
円を描くように下から上へ、刈上げの延長上で運行を止めてひとハサミ入れます。
あくまで刈上げの延長上でのカットです。
すくい刈りを延長上より長めに切ると重なった髪の毛が余分に出てくるので重たくなります。
逆に延長上より短く、インに入ってしまったときは刈上げ部分を上に長さに合わせて
耳を起点に放射状に進みます。
耳前まで切りすすめ、全体が整うように切り足りないところを往復します。

ここではある程度切りそろったら次へ進みます。今度は耳後ろをクシに入れながらえりあし生え際まで耳後ろの角度(約45度)のまま、えりあしまで下がっていきます。この後、反対側の耳後ろから入るのですが先にえりあしを刈ってしまう方もいます。ここは刈りやすいほうでいいと思います。
最終的に綺麗な刈上げになっていればいいので技術者さんの考え方次第になります。
ここまででほとんどカットの形が整ってきたかと思います。
仕上げは細かい目の仕上げ用のクシでやっていきます。

その前に、鏡でお客さんのカットをチェックです。
左右の刈上げの高さはそろっていますか?
刈りだしの毛の長さは左右同じになっていますか?
刈上げ部分の色彩(同じく下の白いところから上に行くにつれて濃くなる)はなだらかになっていますか?
もし左右違っていたらほんの少しづつ切り足していきます。ここで切りすぎるとまた反対側を切らなきゃなので・・慎重にいきます。

私は今でもたまにこの基本動作をやっています。クシの調子を見たり新しくハサミを買った時などもこの基本動作で確認をしています。

連続刈りがうまいかどうかでその人のカットがわかってしまうほどです。
気長にじっくり練習しましょう。


・すくい刈り